世界では、プラスチックの生産と廃棄が年々増え続け、海洋汚染や環境負荷の大きな原因になっています。本記事では、1950年以降の世界的なプラスチック生産量の推移、リサイクルや埋立の割合、そして先進国・新興国それぞれにおける「不適切に処理されるプラスチック量」をデータでわかりやすく紹介します。
使用しているデータは、国際的に信頼性の高いオープンデータを提供する Our World in Data (OWID) が公開している「Plastic Pollution」データセットを基にしています
https://ourworldindata.org/plastic-pollution

1950年以降、世界のプラスチック生産量は急激に増加し、現在では当時の数十倍に達しています。経済成長とともに生産量も伸び続けており、プラスチックが生活に深く浸透してきた様子が分かります。

世界全体で見ると、リサイクルされるのはわずかで、多くが「埋立」や「不適正処理(野外放置・管理不十分な廃棄など)」に回っています。特に不適正処理は、海洋プラスチック汚染の主要な原因となっています。

日本の場合、最新データでは 年間一人あたり約0.2kg(200g) が回収されず外に漏れ出す「不適正処理プラスチック」と推計されています。先進国の多くは 1kg未満 に収まっており、インフラ整備の影響が大きいと考えられます。

一方、新興国では 一人当たり10〜30kg以上 と、先進国の数十倍に達する国もあります。人口規模が大きい国や、廃棄物管理インフラの整備が追いついていないといった背景がうかがえます。
これらのデータが示す通り、改善には廃棄物インフラの整備など、大きな構造的取り組みが不可欠です。そのためには、こうした現状を社会全体に分かりやすく伝え、問題意識を共有していくことが、変革の第一歩となります。